刀身の重み

私事で大変恐縮ですが、昨年の暮65年続いた家業に見切りをつけ廃業致しました。

現在は縁あって、まさに畑違いの果樹園に努めております。

毎日が未知の世界ですので、初体験の連続であります。

ここは本来、米から始まった農家でありますので、今まさに田植えの準備で大忙しであります。

私も若旦那様の指示のもと老体に鞭を打ち、肉体労働に勤しんでおります。

しかし、そこは近代農業、殆どが各種農業機械でこなしておりますが・・・・・・・・

それでも、全て機械と云う訳にはいかず、農器具を駆使し汗水たらさなければならない事もあります。

私がその担当でありまして、先日も万能(まんのう)なる鍬の一種と思われる器具を渡され、

「寄せ切り」なるお仕事を致しました。

この「万能」力で扱いますと、疲れる割に土に刃先がくい込みません。

そこで私、考えました、刀法の斬り下ろしの要領で良いのではと・・・・・

正解でした。万能の先端を物打ちから切っ先と思い、

振りかぶる時からこの重みを感じつつ振り下ろすと、

土に先端がザクッと吸いこまれるようにくい込みました。

この要領で3日間かけて広大な水田の寄せ切りを終わらすことが出来ました。

先日、県の講習会で範士から「最近斬り下ろしが変わったね、斬ってるよ」とお言葉を頂きました。

仕事が変わって以前より稽古の量が減ってきていたので、このお言葉は励みになりました。

 

万能を肩に担いでる我が勇士

DCIM0481

 

 

 

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